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「私は、……怖いですか?」
料理を待っている間、仕事についての話を少しした後、やはり緊張の抜けていない彼女に、そう問いかけてみた。
「え?」
「いつもあなたはビクビクしていますので」
「あ……」
予想通り、固まって無言になる道野結月。
「いえ、……あの。……はい。少し」
正直にそう言った彼女は、少しだけ俯き、視線を落とす。
確かに、仕事の上では、自分もそう思われても仕方のない態度を取ってきた。
でも、こういう風にプライベートで食事を共にするときくらいは、肩の力を抜いてほしい。
半ば強制的に誘った俺がそう思うのは、全くもって不条理だが。
「どうすれば、その怖さが取れますか?」
なるべく威圧的にならないように、穏やかに問いかける。
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