4232人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「っあ」
途端に顔に熱を集結させる道野結月。
そして次の瞬間には脱力して倒れそうになったため、思わず掴んだ手首を引っ張って、ゆっくりとソファに体を預けさせた。
「……」
正直、さっきの勢いでまた怒ってくるかと思ったが、あまりにも初々しい反応と、そのまま無言で俯き動かなくなった彼女に、小さな罪悪感が生じた。
何故か彼女に関してだけ、強引な自分が顔を出す。
タチが悪い。
「もう遅いので、送って行きます。
ちょっと待っていてください」
彼女の手を解放し、そう言って部屋から離れる。
寝室兼仕事部屋へ行き、パソコンデスクに置いていた鞄から財布を取って、頭を押さえてしばし静止した。
最初のコメントを投稿しよう!