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「あぁ、吉川もいたんだ。
席にいないと思ったら」
わざとらしくそう言った高迫はさも嬉しそうで、この状況を心から楽しんでいるようだ。
会話を2、3交わしながら、それを確信する。
が、次に発せられた言葉に、耳を疑った。
「道野さん、彼氏が心配してたよ。
戻るの遅いって」
「……え?」
まるで聞き逃してしまいそうなほど自然に、彼女へそう言葉を投げた高迫。
「……彼氏?」
あまりに突拍子なワードに、思わず聞き返していた。
「あぁ、吉川にはまだ何も言ってなかったんだったね。
道野さんさ、彼氏できたんだって」
……は?
すかさず道野結月の表情を見ると、戸惑いの色。
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