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「他人が口を出すことではない」
「ハハ、“他人”ね。
そうだね、とやかく言うことじゃないね、確かに」
自分の言葉が自分に返る。
高迫に対して言った言葉だったが、今の状況からすると俺も立派な“他人”だ。
「戻りましょう!」
その時、道野結月がパンッと小気味よい音を立てて両手を打ったことで、話が中断された。
俺に対しての気まずさからか、彼女は最後にこちらに小さく会釈をして、逃げるように酒の席へ戻っていった。
「……」
「ほら、言わんこっちゃない」
彼女の姿が完全に見えなくなると、壁にもたれかかった高迫が、薄く笑いながらそう言った。
「……もともと、何か知っていたのか?」
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