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少し頭を冷やそう。 そう思って社長に断りを入れて席を立ち、後ろのふすまを開けて外に出た。 「ふぅ……」 中が盛り上がっているせいか、廊下に出るとその温度差に一気に酔いがさめる思いがした。 確か、トイレの横に去年道野結月が酔っぱらって寝言を言っていた椅子があるはずだ。 そこでしばらく休憩しようと思い、靴を履き、歩を進めた。 「最近、覇気がねーなー。 男にでも振られたか?ん?」 先客か……。 首を押さえてひねりながらトイレの近くまで行くと、聞き覚えのある声と後ろ姿。 あれは藤谷部長だ。 誰と話して……。 「んで、今日新たなターゲットを探すために気合を入れてきた、と。 ハハハ。分かりやすいなー、道野は」
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