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「もう少ししたら終わりそうです」
「そうか。
ミスすんなよ、俺の評価が下がるんだから」
「……」
私のデスクのパソコンを覗き込み、肩に手を置いた藤谷部長。
ホントにこの人だけは、どうしても好きになれない。
触れられた右肩から腐ってしまいそうで、鳥肌が立つ。
「まぁ、すぐに終わらなくても、一緒にここに泊まってやってもいいぞ。
あいにく外は大雨だ。
お前、確か徒歩通勤だよな?
タクシーもろくにつかまらないぞ」
「やっ――」
わざとかどうか分からないが、私の肩を掴んだまま引き寄せた部長の息が耳にかかって、気持ち悪さのあまり、右手で大きく払いのける。
キィッ、と軋んだ音をさせて、椅子に座ったまま部長から距離を取った。
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