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うそっ。
うわ。吉川さん、私のために？
……どうしよう、嬉しい。
「あ……ありがとうござ」
「――というか」
ちょうど開いたエレベーターに、二人とも乗り込んだ時だった。
先に乗って振り返った吉川さんが、エレベーターの壁にさほど強くはないが拳の側面を打ち付け、怖い顔を私に向ける。
「アホか」
背後でゆっくり閉まったエレベーターの扉。
私は、おおよそ吉川さんらしからぬその３文字に、カチーンと固まってしまった。
「何をいいように扱われている？
“イエスマン”イコール貴方が言う“認められる”じゃないだろ。
それに、もっと危機感を持……」
「……」
結構な勢いで喋っていた吉川さんが、固まったままの私にシンクロしたみたいに静止する。
そして、長いため息とともに、頭を押さえ、壁に打ち付けていたままの手をゆっくり下ろした。
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