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……好きなんだ。私は。
本当に、吉川さんのことが。
そして、分かりづらくても、じんわり伝わってくる吉川さんの優しさが、温かさが、嬉しくて仕方ないんだ。
言わなきゃ。ちゃんと。
好きだって、伝えなきゃ。
「――あの」
「いつもの公園のところですが、道野さんの家はどちらですか？」
「え？」
まさに今、というところで、DVDの電源を切られたような感覚。
気付けば家まですぐそこの公園付近まで来ていて、車通りが少ないため、徐行したまま吉川さんが聞いてきた。
「足を痛めていますし、先程より弱まってきたとはいえ、この雨です。
家までお送りしますので」
「そ、そんな……。悪いです」
「このまま、まっすぐでいいですか？」
「あ、いえ、そこを左に……」
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