番外編① 前編

11/17
前へ
/35ページ
次へ
「――ひゃっ!」 ――と、いきなり、うなじに人差し指を這わせる高迫さん。 いつの間にか背後に来ていて、二度びっくりする。 「おっ、お皿落として割るところでしたよっ」 「あのさ、このくらいの髪の長さって、ボブって言うんだっけ?うなじの骨が見えて、セクシーだよね」 急に違う話題を振ってきたことと、なんだか一瞬で雰囲気が変わったような高迫さんに、ドギマギする。 「変態発言ですよ、それ」 「世の中、変態じゃない人間はいないよ」 ただ、背後に立たれて人差し指のみで触れられているだけなのに、影に覆われていることで、振り向かずともものすごい威圧感を感じる。 同時に発動する警戒心。 「な……なんですか?なにか……」 「今日、泊まる?中園さん」 「へっ!?何言ってるんですか?急に」 「約束したじゃん。傷のなめ合いをしようって」 「そ、んなこと、言って……」 ない、とは言い切れない。 だって記憶はないから。 って、そうこう考えている間に、服の上からブラのホックをはずされて、首筋に唇があてられたかと思うと、ほんの少し噛まれた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3956人が本棚に入れています
本棚に追加