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「――っ……」
片手は私の脇腹の辺りからブラウスの中へ、そして片手は出したままだった水道の蛇口を止める。
見た目にたがうことなく、手慣れている彼。
でも、待って。
この1週間、全くそんな空気にならなかったのに、なんで急に?
「ど、どうしたんですか?高迫さん」
「今日、俺、アレの日みたい」
「アレの日?」
「ブルーデー」
「女の生理みたいに言わないでください」
「ハハ。いちいち面白い返しをしなくてもいいよ」
そう言って笑いながら、私の肌よりもほんの少し冷たい手を、緩いタッチで体に這わす。
「女って柔らかいけど、中園さん、その中でも触り心地いい方だね」
「太ってる、って、言いたいんですか?」
「んーん。違うけど……なんだろ。安心する」
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