番外編① 前編

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「――っ……」 片手は私の脇腹の辺りからブラウスの中へ、そして片手は出したままだった水道の蛇口を止める。 見た目にたがうことなく、手慣れている彼。 でも、待って。 この1週間、全くそんな空気にならなかったのに、なんで急に? 「ど、どうしたんですか?高迫さん」 「今日、俺、アレの日みたい」 「アレの日?」 「ブルーデー」 「女の生理みたいに言わないでください」 「ハハ。いちいち面白い返しをしなくてもいいよ」 そう言って笑いながら、私の肌よりもほんの少し冷たい手を、緩いタッチで体に這わす。 「女って柔らかいけど、中園さん、その中でも触り心地いい方だね」 「太ってる、って、言いたいんですか?」 「んーん。違うけど……なんだろ。安心する」
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