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昨夜。昨夜……。
昨夜…………。
――昨夜は、会社の慰労会だった。
1次会が終わると、道野先輩といた私は高迫さんに引っ張られて、無理やり二次会のカラオケへ。
その後、もう一軒つきあえ、と高迫さんにまたもや連れて行かれた、行きつけらしいオシャレなバー。
そこで……。
あれ?記憶が途切れている。
……ということは。
「むっ、無理やり飲ませたんですね?お酒っ。私飲めないのに」
勢いづいて自分も半身を起こすと、頭痛と眩暈を伴った。
やっぱりだ。
「失礼だね。中園さんが自分のノンアルのカクテルと間違えて、勝手に飲んじゃったんだよ、俺のカクテル。それに、飲めないんじゃなくて、飲まないんでしょ?その後のピッチの速さ、尋常じゃなかったし」
「……」
サー……、と血の気が引いていく音を聞いた気がした。
確かに私は、お酒は飲めない、んじゃなくて、飲まない、ようにしている。
ハタチを過ぎて飲めるようになってからの、記憶を失くすほどの失態の数々が、社会人になってからは絶対に飲まない、という誓いを立てさせた。
……にしても、だ。
こんな、流れで男の人と寝てしまうまでのことは、今まではなかった。
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