番外編① 前編

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それから約1週間、毎日のように高迫さんから連絡が入り、一緒にご飯を食べた。 一度、道野先輩と3人で食べたけれど、あとは2人で外食が半分、意外なことに、彼の家で手料理を振る舞われること半分。 正直、意味が分からない。 彼にとってのメリットすら分からないまま、弱みを握られているのであろう私は、警戒しながらも誘いに応じた。 泊まったりはしない。手も出されない。 それが、なおさら私の理解を苦しめる。 結局、あの夜何かしたのかしていないのか。そもそも何を話したのか。どうして一緒に過ごす約束をしたのか。 疑問ばかりだが、聞いても笑ってはぐらかされる。 覚えていないのが悪いという原点に戻される。
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