番外編① 前編

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「というか、高迫さん、一緒にご飯食べる相手いないんですか?」 「いるよ。でも、今は中園さんが俺の中で旬みたいだから」 「なんですか、それ。口説いてるんですか?」 「モテる女は、ズバズバ言うね。違うよ。俺、好きな人他にいるし」 「じゃあその人誘えばいいじゃないですか」 「んー。その人、今それどころじゃなさそうだからね。中園さんは面白いし、なんか、楽だし?」 「一人は寂しいんですか?」 「いつもは大丈夫なんだけど、最近ね。歳かな」 「あ、今日顧問先から結構高い緑茶貰ってきたんだけど、飲む?」 「いいんですか?いただいて」 「どうぞ」 「「丸い味……」」 「同時だったね」 「……そうですね」 「味覚の相性が合えば、あっちの相性もいいんだって」 「初耳ですけど」 「どうする?」 「……どうするって?」 「ハハ。やっと少し赤くなった。試してみる?とでも言われると思った?残念だね」 「……最悪です」
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