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「……」
クラッと、座っているのに軽く眩暈がした。
2週間ぶりに顔を見て、手料理まで準備してあって、寝言で名前を呼ばれ、そんな可愛いことをされたら、もう……。
「……結月、起きて」
「んー……。へへへー……」
「ゆづ……」
「すー……」
指で頬に触れ、何度も起こそうと試みるが、また静かな寝息を立てて何も言わなくなった彼女。
生殺しにも程がある。
このまま寝室に運ぼうかとも思ったが、慰労会の日の二の舞になりそうで、今はやめることにした。
少し落ち着いてからでないと、無理にでも何かしかねない。
……とりあえず……風呂に入って、頭を冷やそう。
いつぞやと同じようにそう自制して、席を立った。
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