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シャワーを浴び終え、軽く体や頭を拭いて、タオルを肩にかけたまま服を着る。
下はジャージを着て、ちょうどTシャツを頭から被ろうとしていた時、パタパタと、廊下を小走りする音を聞いた。
――と同時に開く脱衣所の扉。
「吉川さんっ!
あっ、よかった、間に合った!」
全開にされた扉の向こうに、少し息を切らした道野結月。
無理な体勢で寝ていたためについたらしいあとを顔にうっすら浮かべ、目をキラキラさせ、満面の笑みで俺を直視する。
「お誕生日おめでとうございますっ!」
「……」
「あー、あと1分くらいで日付変わっちゃうとこだった。よかった、目が覚め――」
「……」
「……」
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