若気の至り

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人々の賑わうある町。そこは活気にあふれ、行きかう人々が談笑しながら仕事に励んでいた。 豊かに実った作物は人々を笑顔にしていった。 そんな明るい表を見せる町の裏側の顔。 光と影の境界線を越えた先は、明るい町と対照的の顔を覗かせる。貧しい者たちは隅へ隅へと追いやられ、表舞台に立つ事のない影となる。 そんな町の裏側の少年が町の表側の通りを疾走していた。 「へっへ、鬼さんこちら」 「てめぇ、待て!」 少年は溢れる程の食物を腕に抱きながら、人々を押しのけ、おじさんからにげていた。少年を追う30歳過ぎのおじさんは鬼の顔で少年を捕らえようと、必死になる。 少年の名はクリストファー。親捨てられた身である彼は家名を捨てたため、姓はない。着ている服はボロボロの布切れ。お金のない彼は物を盗んで生計を立てている。
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