若気の至り

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クリストファーはすっと立ち上がり、食料を抱えこむ。ふらふらになりながらも、自分の家と帰ろうとする。 「そこのあんた」 突然声を掛けられたクリストファーは動きを止める。顔色は次第に悪くなっていき、蒼白になる。 (... せっかく、食料手に入れたのに、くそ!) 恐る恐る、顧みるとそこにはヨボヨボの爺さんがいた。 (なんだよ、じじいか。驚かせやがって。俺でも勝てそうだな...) 食料を取られると思ったせいか、正常な判断を出来なくなっていた。いや、彼のこのような環境のせいとも言えるが。 「おりゃああっ!」 両手は食料を抱えているので、足を使いその場で回転を入れつつ蹴り薙ぐ。それに対し、爺さんは冷静に足を手で掴んで勢いを殺す。 「んなっ!?」 「いきなり失礼よのう」 「くそっ、離せクソ爺!」 「ほっほっほ、粋がいいのう。若者はこれくらいでないといかんのう。 じゃがのう...ガキは好かん」 と呟くと、掴んだ片手を振り上げ、クリストファーを持ち上げる。そのまま躊躇なく地面に叩きつけた。 「!?」 背中叩きつけられた衝撃で肺の空気が抜け、堪えられないような痛みが身体中を駆け巡る。痛みのあまり、うずくまるように体を抱え、食料から手を離す。
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