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痛みのせいか、どんどん意識は遠のいてくる。悔しさのあまり、噛んだ唇には血が流れていた。
「おっと、すまんのう。」
「食料...だけは.....奪わないでください...お願いし...ます。」
白濁の意識の中、紡ぎだした言葉はプライドの欠片もないものだった。望みを聞いてくるとは思ってない。ただ、少しの望みにすがるしかないのだ。
彼は瞼が重くなり、微かな希望ともに暗闇へと墜ちていった 。
「脆いのう.....あっ言うべきこと忘れてたわい。」
爺さんは舌を出して、てへっと頭小突いた。非常に気持ち悪い。
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