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「悪い悪い、イチャイチャぶりに妬けちゃって。」
言われて初めてシャスタが気づく。
あちこちのテーブルで客が被害に遭っていた。
いつの間にか嫌がらせが始まっていたのだ。
目配せしようとシルビアを見ると、落ちたパフェを見つめてわなわな震えていた。
キッと男を睨むシルビア。
「おっ、彼女可愛いね~。俺達と遊ぼうな~。」
腕を掴み、強引に立たせて連れて行く。
それを見たシャスタは彼らを憐れみかぶりを振った。
事情を知らない店主がシルビアを救おうと立ちはだかり、殴られ突き飛ばされてしまった。
一般人に被害が及び、慌てて介抱に向かう。
「あんた!私より彼女を助けに行きなさい!」
「大丈夫ですよ。ご心配なく。」
そんな様子を横目に出て行く男達。
シルビアが出口で立ち止まる。
「何だよ。あんなへなちょこ野郎なんかほっといて、早く遊びに行こうぜ。」
その台詞を聞いたシルビアがにっこり微笑む。
「そうね。外に出た方が良いわよね。」
その微笑みと、出て行く彼女を見てシャスタが慌て出す。
「貴方達はここにいて!後は任せて下さい!」
「あんた達は一体……。」
「あっ、ナイトです、FLAGの。すみません、急がないと。」
「あ、ああ、早く彼女を助けてやってくれ。」
「いえ、助けが必要なのは彼らの方です。失礼!」
走って出て行くシャスタを見て、娘がこっそり後を追う。
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