サンパウロにて

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「ごめんね~。ただの不良だと思ってた。」 「じゃあ、どうしてここまでやったんですか?」 ただの不良を懲らしめるにしてはやり過ぎである。 「だって……こいつのせいでオレンジが落ちちゃったし……。シャスタにあげる最後の一個だったから……。」 「こっちの人は?」 「貴方をへなちょこって言った……。」 ため息をつくシャスタ。 「シルビア……その理由だとやり過ぎです。」 「え~、結果的にはOKでしょ~?犯人捕まえたんだから~。」 「まあ、私を思っての事ですし……良しとしますか。」 「じゃあ、ご褒美~。」 唇を突き出すシルビアに、フッと笑って口づける。 「あの、ナイトさん。」 「うわっ、い、イチャついてませんよ!?」 突然声を掛けられ、慌てて変な事を口走る。 振り向くとそこには喫茶店の娘がいた。 「あ、いえ、ありがとうございました。」 「お礼は早いわよ。主犯格を捕まえなくちゃね。」 「あ、はい。お願いします。被害は家だけじゃないので……。」 「とりあえず場所を移動しましょう。」 そう言ってシャスタが男を肩に抱える。 .
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