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湖を望む公園の駐車場に停まっているセミ。
公園の中には二人と一匹の姿。
早朝トレーニングを行っていた。
さすがに神器を振り回す訳にもいかず、普通の組み手を行っている。
ドゥンは気持ち良さそうに草の上をごろごろ転がっていた。
しばらくして、程よい汗をかいた二人は組み手を終える。
「今日も良い天気になりそうですね。」
座って空を見上げてシャスタが言った。
「ほんと。あ、貴方もう少しここで休んでいて。ドゥンの日光浴に付き合って欲しいの。」
「良いですけど、貴女は?」
「私はセミに戻って朝食を作るわ。」
「少し休んではどうです?」
「大丈夫よ。いつもの事でしょ?」
ウインクして彼女は走って行った。
「ドゥン、君のご主人様は元気ですね。ほんと、格闘に関してはタフなんですから。私も負けていられませんね。」
そう言ってシャスタは一人でトレーニングを続ける。
筋力アップとシャドートレーニング。
空を切る突きや蹴りが綺麗に決まっていた。
そんな彼のトレーニング姿に、ジョギング中の女性達が足を止める。
「ね、あれってシヴァ神さまじゃない?白虎もいるし。」
「わ、ほんとだ。ドゥルガー様も一緒よね?どこにいるのかしら。」
そんな女性達の会話がシャスタの耳に届く。
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