サンパウロにて

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「ね、シルビアさんって20歳よね?シャスタさんは23歳で……。」 「そうですけど何か?」 「シルビアさん、私より5歳も下なのに大人だな~って……。」 「だって、これでも凄い人生経験があるのよ?実年齢の何倍もの経験があるの。」 ぷっと噴き出すシャスタ。 「あはは、おばあさんですね、80のおばあさん、あはは」 「な、何よ、貴方だって60のおじいさんじゃないの。そんなに笑わないでよっ」 そう言って肩に軽いパンチをお見舞いする。 それを見た女性達も笑い出す。 「二人とも面白~い。そんなに若いのに、おじいさんだのおばあさんだの言って。」 「酷いでしょ?こんな若い子つかまえて、おばあさんだなんて。」 「はいはい、失礼しました。若くて綺麗ですよ。」 お詫びのつもりで額に口づける。 どうやら人前でのイチャイチャは抑えられているようだ。 「今日はどうもごちそうさまでした。」 「いいえ、こちらこそ楽しかったわ。」 食事を終えて彼女達と別れ、後片付けをして二人は仕事に取り掛かる。 「では、不当な立ち退きを迫られている人達を救いに行きますか。」 「ええ。懲らしめてやるわ。」 二人は簡単な変装をする。 目立つ黒髪をかつらで隠し、ロングヘアからショートヘアになる。 格闘とはかけ離れた服装でナイト2000に乗り込んだ。 まずは依頼主に会って話を聞こう。 .
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