27人が本棚に入れています
本棚に追加
依頼主の喫茶店を訪れた二人は、客に成り済まして店内の様子をうかがっていた。
父母と娘が営むアットホーム的な喫茶店。
客の入りも良く、普通に流行っているようだ。
「ね、パフェ食べても良い?」
「え、朝ご飯食べたばかりなのに?」
「あら、デザートは別腹でしょ?」
「まあ、そうですが……。食べても良いですけど、お腹壊さないで下さいよ?」
は~いと返事をしてメニューを見る。
どのパフェにしようか、嬉しそうに選んでいた。
シャスタはそんな彼女を見つめながら、最強の女でも普通の女の子なんだと新たな発見をしていた。
三番めのシルビア・ハウエル。
末っ子で家族に溺愛されていた、甘えん坊の幼い少女のような女性。
それでいて、前世の記憶を持つ彼女が見せる大人の素振り。
このギャップが堪らない。
初めて愛したお淑やかなクレルモン。
長い時を共に過ごした凛々しいマクファーソン。
どちらも同じシルビアだが、あえて過去形で言いたい。
貴女達を愛していたと……。
「ね、貴方は何にする?」
「え?あ、アイスティーで。」
ハッとしたシャスタに首を傾げながら、フルーツパフェとアイスティーを注文する。
.
最初のコメントを投稿しよう!