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注文を受けた娘が戻って行くと、気になっていたシルビアがシャスタに尋ねた。
「ね、何考えてたの?魔城の事?」
「え?あ、いや、そ、そうか、任務中でしたよね、あはは。」
今が任務中だという事を忘れていた。
「そうよ、任務中。どうしたの?」
「ん、その……。デートしている錯覚に陥っちゃって……。あはは……。」
「デートねぇ……。それなのにぼーっとしてたの?失礼よね~。」
「そ、そんな事……。ぼーっとしてたんじゃなくて、その……考え事を……。」
「同じじゃないの。デート中に他の事を考えるなんて失礼よ?」
そう言った彼女はちょっと膨れていた。
「他の事じゃなくて、貴女の事を考えていたんですが。」
彼女の気持ちを察したシャスタが微笑んで言う。
「私の事?どんな?」
パッと嬉しそうな顔に変わった。
フッと笑ったシャスタが打ち明ける。
「可愛いな~とか、抱き締めたいな~とか、もう帰って愛したいな~なんて思ってたんですよ。」
その思いに頬を染めたシルビアだが、ふと違和感を覚える。
任務中のシャスタがそんな事を考えるなんてあり得ない。
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