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「えーっと、27番」 「おー、すごいな。テルは何番?」  重々しく小柄な生徒が返事をする。 「ぼくは56番」  クニが天をあおいだ。額(ひたい)をたたいていう。 「みんな、すげえな。なんでおれだけ三桁(けた)なんだよ。くそっ、どうせ、おれは152番ですよ」  テルが腕を組んで、うなずいた。即座に暗算を済ませたらしい。 「4人の平均順位が59番か。悪くないな。そこそこ上位を狙えそうだ。とくにクニがこれから順位をあげてくれたらな」  成績の競争は個人だけではなかった。メンバー4人の平均点で、班の順位も決定される。チームワークと戦友意識を高めるためらしい。
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