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クニが叫んだ。
「なに勝手なことほざいてるんだよ。進駐官の階級は絶対だろ。人に順位をつけなきゃ、指揮系統がめちゃくちゃになる。だいたい1番のやつが下のやつを憐(あわ)れむようなこというな。こっちがみじめになる」
テルが腕組みをしたままうなずいた。
「クニのいうとおりだ。人がみな平等というのは、わが皇国の思想とは相(あい)いれない。きみは教官の前ではそういうことを口にしないほうがいい」
うっすらと微笑して、ジョージがうなずいた。サクラの木を離れ、こちらにやってくる。クニがあきれたようにいった。
「おれたちの班はいかれてるな。頭のおかしな成績1番とあの逆島家の三男坊がメンバーだ。だいたいここだって、元はといえば東園寺(とうえんじ)家と逆島家のプライベートスクールだったんだろ。頭文字をとって、東島進駐官養成高校。断雄はここのオーナーの息子みたいなもんじゃないか」
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