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【美優Side】
玄関のドアが大きな音を鳴らした。ドスドスと恐竜みたいな足音がする。
リビングで顔を付き合わせていたあたしと空翔を見るや否や、その恐竜の足音が速まる。
そして、ワックスでツルツルになった床で、ズルッと足を滑らせ、大きな体を自ら床に投げ出した。
…かなり、ダサい。
「いててて…だから、昨日ワックス塗り過ぎだっつったんだよっ!」
海翔は腰を擦りながら、床に胡座を掻きあたし達を睨み付けた。
「二人ともリビングから消えたと思ったら、密室で何してんだよっ!」
「海翔、空気読めよ。邪魔なんだよ」
空翔らしくない挑発的な言葉に、あたしは驚きを隠せない。
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