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「邪魔?俺が邪魔?それはこっちのセリフだよ!てめぇ、美優に二度と手を出すなと、あれほど言ったのに、懲りもせずぬけぬけと!」
海翔の剣幕に、また乱闘が始まってしまうのかと、背筋がヒヤッとしたが、海翔はスクッと立ち上がると、自分の部屋に入りギターを持ってリビングに戻って来た。
「ほらよ」
あたしの目の前に差し出されたのは、海翔の愛用のギター。
「…なに?」
「持ってろ」
「は?持ってろって、意味わかんない」
「俺は夏休みが終わったら、必ず帰国する。親父や遥と話をつけてくる。だからそれまで預かってくれ。そいつは俺の分身だ。必ず美優に逢いにくるから、それまで持ってろ」
「海翔…」
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