Cherry 16

8/25

325人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「とにかく!夏休みが終わったら、俺は戻ってくっからな!いーな!待ってろよ!」 美優ちゃんの鼻先を指差し、子供みたいに息巻く海翔。 美優ちゃんはそんな海翔に、フンッと鼻を鳴らしプイッとそっぽを向く。 けどその腕の中には、海翔のギターがしっかりと抱かれている。 「空も…九月に戻って来るの?」 「美優ちゃんが、俺を必要とするなら」 …なんて、狡い返事しか出来なくて。 海翔みたいに『待ってろよ!』なんて俺様なセリフは言えなくて、俺達は最後の夜を複雑な思いで過ごした。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加