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「とにかく!夏休みが終わったら、俺は戻ってくっからな!いーな!待ってろよ!」
美優ちゃんの鼻先を指差し、子供みたいに息巻く海翔。
美優ちゃんはそんな海翔に、フンッと鼻を鳴らしプイッとそっぽを向く。
けどその腕の中には、海翔のギターがしっかりと抱かれている。
「空も…九月に戻って来るの?」
「美優ちゃんが、俺を必要とするなら」
…なんて、狡い返事しか出来なくて。
海翔みたいに『待ってろよ!』なんて俺様なセリフは言えなくて、俺達は最後の夜を複雑な思いで過ごした。
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