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それは突然の出来事だった。
「俺と付き合ってくれないか」
目の前にいる彼は、社内で1、2を争うイケメンとして有名な冴木孝哉(サエキタカヤ)さん。
そして、それをいわれている私、西野結衣(ニシノユイ)。
「な、なんで私なんですか?」
ほとんど接点がないはずの彼がなぜ?
そんなことを思っていると……
「君は知らないかもしれないけど、俺はずっと見てたから」
「えっ!?えっ!?」
動揺し過ぎて言葉が出てこない。
そんな私の気持ちを察してか、
「返事はすぐじゃなくていいよ。よく考えてみて」
「俺のことを君に知ってほしい」
「急に呼び止めちゃってごめんね。話せて嬉しかったよ」
私の頭の上にポンっと大きな手を乗せて、穏やかな笑顔で話した冴木さんは、じゃあね、といって去って行った。
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