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本来、人とは一人では何もできない程ひ弱な存在だった。
古来から文明が築かれる以前から人は集団で生活することで生を勝ち取ってきた。
それらが今の現代社会の中でも本能的に残っているがために孤立を恐れて本当の自分を偽り、騙し、結果的に多大なストレスにより人との関わり合いに疲れを感じてしまう人が増えているのである。
そしてここにも一人……。
('A`)「……めんどくせ」
ドクオは呼吸をするかのように溜め息を吐く。
この男、中学生という青春真っ只中でありながらクラスに馴染めず、勉学、スポーツ共に突飛もしないどこにでもいる少年Aである。
部活にも入っておらず友達と呼べる人もいない。
ただ一人、この少年Aにも心を開いている人物がいた。
そして今、その人物と触れ合っていた場所に向かっている最中なのである。
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