数式1

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* * * 「ああ、もう日本史って、なんでこんなに範囲広いのぉ!?」 ぺたり、とノートの上に突っ伏して、百花が唸るように言った。 「わっ」 反動で机が大きく揺れて、置いてあるコップが倒れそうになる。 それを手で支えながら、美香ちゃんがため息を吐いた。 中間テスト前の週末。 私たちはスバルの家に集まってテスト勉強をしていた。 スバルとはテスト前に毎回どちらかの家で一緒に勉強していたけれど、今回は美香ちゃんと百花も参加。 ギリギリまで勉強していない百花は、さっきから何度も唸り声を上げていた。 「もう、普段からちゃんと授業聞いてないからよ」 「だってぇ、三上先生の声って眠くなるんだもん」 可愛く唇を尖らせる百花に、思わず頷く。 「あ、それ、わかる」 「いや、遥は他の授業でも寝てるだろ」 「寝てないもんっ」 頬を膨らましながらスバルを睨むと、彼は嬉しそうにニカッと笑って顎をスリスリと撫でた。 人懐こい笑顔につられて、つい口元が緩んでしまう。 まだ夏の日焼けの残った頬が少し眩しい。 「日本史もだけどさ、俺、ほんとに古文がやばい」 言って、スバルは頬杖をつきながらパラパラと古文の教科書を捲った。
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