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私の目を見つめながら優しく髪を撫でた後、彼はゆっくりとファスナーを下ろし始めた。
なんだか恥ずかしくて、じわじわと顔が赤くなっていくのがわかる。
甘やかに揺れる眼差しに堪えられなくなって、私は先生から目を逸らして俯き、長く綺麗な指に視線を落とした。
鼓動がすごい速さで脈打って、息苦しい。
…先生に聞こえてないかな。
オーディオから流れてくる音楽よりも大きく響く自分の心臓の音が、頬をますます熱くしていく。
先生の手がファスナーを全て下ろし終わるのを見て、ホッと小さく息を吐いた。
「…あ、ありがとうございます…」
俯いたままで言って、袖から腕を抜こうとパーカーの襟元に手をかけると、先生はその手を掴んでぎゅっと握り締めた。
ドキッとして振り仰ぐと、すぐ近くに綺麗な瞳が見えて。
…あ、
と思った瞬間、先生は顔を傾けてそっと私の唇に触れた。
突然のキスに固まる私に、彼は唇を少し離して一瞬だけ瞳を合わせた後、掴んだ私の手をゆっくりと下ろしながらもう一度優しく口付けた。
そして、両手で私の頬を挟み、啄ばむようにゆっくりと何度も唇を重ねる。
「…ふ、…あ…」
唇の間から甘い声が漏れて、恥ずかしさと息苦しさで、頭の芯がクラクラしてしまう。
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