11160人が本棚に入れています
本棚に追加
「……なよ」
先生がキスを繰り返しながら、小さな声で呟くように言った。
よく聞こえなくて、聞き返そうと手でぐいっと先生の胸を押すと、彼はそれを無視して片手を頬から滑らせてパーカーの襟元からするりと差し込んだ。
…ひゃっ。
思わずビクッと体が震える。
「…せ、せん…」
びっくりして体を引いて唇を離した私の首の後ろにもう片方の手を回して捉え、
「…ダメ」
かぶせるように短く言って、先生は私の言葉を掻き消すようにまた唇を塞いだ。
そして、何度も角度を変えて口づけながら、パーカーを肩から外し、ゆっくりと脱がせていく。
「…ん、…ふ…」
息苦しさに呼吸をしようと開く唇から、吐息混じりの声が零れた。
彼の大きな手が私の腕や背中を優しく撫でて、触れられたところが痺れるように熱くなっていく。
…せんせ、ダメ……
力、抜けちゃう…。
どうしていいかわからなくて、私は泣き出してしまいそうになった。
「…腕、抜いて…」
少しだけ離した唇の隙間から掠れた甘い声が響く。
力が抜けて腕を持ち上げることすらできなくて、私は小さく首を横に振った。
鼻の頭がスリスリと重なり合う。
先生はクスッと笑ってもう一度軽く音を立てて口づけ、少し体を離して私の目を見つめながら頬に触れ、親指でそろりと撫でた。
最初のコメントを投稿しよう!