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苦しい…。
先生を好きになってから、私はずっと溺れているみたいだ。
息苦しくて必死にもがいて、前に進みたくてもうまく進めない。
先生は大人で、いつも余裕たっぷりで、
私は子どもで、いつも一人でアワアしてる。
先生が好きで、一緒にいられて嬉しくて幸せなのに。
時々、不安になってしまう。
…私でいいの?
キスも満足にできなくて、
背伸びをしても先生に届かない。
先生に追いつきたいと思うけれど、
私、…そんなに早く歩けない。
「…んっ」
息が苦しくなって先生の胸をドン、と叩くと、彼は唇を離して私の顔を覗き込んだ。
そして、大きく息する私を見て、ふ、と優しく頬を緩める。
「…顔、真っ赤だ。
ほら、ちゃんと息しないと」
「…う、だって…、頭が真っ白になって…」
イタズラっぽく細められた瞳に、恥ずかしくなって思わず唇が尖る。
先生はおかしそうに声を立てて笑って、優しく私の髪を撫でながら、じっと瞳の奥を見つめた。
…綺麗な、チョコレート色。
吸い込まれてしまいそうになりながら、先生を見つめ返すと、
「…まだ、普通のキスだよ」
「え…?」
ちょっと困ったような顔をして、先生は私の二の腕を掴んで腕の中に引き寄せた。
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