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翌日
二人だけの法事をひっそりと終えて家に戻ると
裏山の滝を見に行かないと義兄さんに誘われた
ずいぶん前に二人で行った事を覚えていてくれたのだと
ただそれだけのことなのに
胸の鼓動が高鳴るほど嬉しかった
降りしきる蝉時雨の中を
他愛も無い事を話しながら
義兄さんと歩いて行く幸せを噛みしめ滝へと向かう
「記憶だともっと大きかった気がするが…」
滝壺の前に佇み滝を眺めている義兄さんに
今年は渇水だからその所為かもと言うと
記憶していた物なんてのは
どんどん変わってしまうのだなと
義兄さんはしみじみと呟いた
「姉の事は思い出すのですか?」
ついそんな
不躾な事を聞いてしまい
すみません忘れてくださいと言うとかまわんさと
しゃがんでる僕の頭をくしゃりと撫でた
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