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誰もいないんだから、別にこんな端に追いやらなくてもいいのに。
しかし友人は完全に興奮しきっていて、そんな感想を聞いてくれそうもなかった。
ようやく腕が解放されたタイミングで、
「どうしたの?」ともう一度聞いた。
「どうしよう!!」
とりあえず、話してくれないとどうしようもないんだけどな・・・
全く拉致が明かない問答に、いい加減終止符を打つべく
「だから何が?」
と言おうと思った時、彼女の口から出てきた言葉を聞いて
朝から走らされた疲れがドッとでてしまった。
「鈴木先輩がっ!!!」
・・・なんだよ。正直またか、と思ってしまった。そんな事でオーバーに走らせやがって。
やれやれといった感じだったが、本人は今にも泣き出しそうに顔を真っ赤にしていた。
どーせ、たいしたことじゃないだろうなぁ、と思いつつもとりあえず聞いてあげた。
「鈴木先輩がどうしたの?」
途端に、本当に一粒の涙がこぼれ落ちた。
え?泣いてる?ヤバイ。本当に何があったの?
そのままボロボロと泣き始める姿を見て、どうしようか本気で心配になった時、
ようやく彼女の口から真相めいたことが出てきた。
ひどくバカバカしくて、しばし脱力してしまう程ぶっ飛んだ真相が。
「す・・鈴木っ先輩、ね・・・
オカマさんだったのっ!!!!」
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