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流れる汗をタオルで拭いながら、説明会が行われる講堂に案内される。
疲れきった私達は、家を出た時に比べて明らかに全員無口になっていた。
「ちょっとトイレ行ってくるね」
同級生に声をかけて、私は席を立った。
「もうちょっとで始まりそうだから、早くねーー!」
そう言われて、急いで講堂から出てトイレを目指す。
講堂のドアを抜けて曲がった所で、目的のトイレは見つかったが
その前には数人が並ぶ列が出来ていた。
あちゃーーーー。間に合うかなー?
とりあえず列に並ぶが、なかなか進まない。そわそわしていると
そこに、一人の先生が現れた。
「こっちの通路渡った所にもトイレあるから。そっちも使いなさい。」
そう言われて、私を含む数人は言われた方に進んだ。
隣の校舎に続く渡り廊下のような通路を行くと、トイレはすぐに見つかった。
トイレを済ませ、手を洗い出たところで
そこが教室のすぐ向かいだったことに気づいた。
普段は生徒達が使うトイレなのだろう。
しかし夏休み中だったため、長く続く廊下には生徒らしき人影は見当たらなかった。
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