第1話 緑風

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流れる汗をタオルで拭いながら、説明会が行われる講堂に案内される。 疲れきった私達は、家を出た時に比べて明らかに全員無口になっていた。 「ちょっとトイレ行ってくるね」 同級生に声をかけて、私は席を立った。 「もうちょっとで始まりそうだから、早くねーー!」 そう言われて、急いで講堂から出てトイレを目指す。 講堂のドアを抜けて曲がった所で、目的のトイレは見つかったが その前には数人が並ぶ列が出来ていた。 あちゃーーーー。間に合うかなー? とりあえず列に並ぶが、なかなか進まない。そわそわしていると そこに、一人の先生が現れた。 「こっちの通路渡った所にもトイレあるから。そっちも使いなさい。」 そう言われて、私を含む数人は言われた方に進んだ。 隣の校舎に続く渡り廊下のような通路を行くと、トイレはすぐに見つかった。 トイレを済ませ、手を洗い出たところで そこが教室のすぐ向かいだったことに気づいた。 普段は生徒達が使うトイレなのだろう。 しかし夏休み中だったため、長く続く廊下には生徒らしき人影は見当たらなかった。
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