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夏の中学野球大会予選、一回戦敗退。
それが彼の中学野球最後の成績であった。
「ふっ!!」
強く息を吐きながら右足で地面を蹴るように踏み込み、左足を軸に時計周りに回転しその勢いを活かして折りたたまれた両肘が腰の高さを綺麗に通過し、遅れて彼の両手に握られた銀色のバットがやや前方目掛けて振り抜かれた。
それと同時に風を切る短い音が響き渡る。
「まぁ、大した成績は残せなかったけど、本番は高校野球だ」
そう1人で呟く彼の後方に一人の人物が立っていた。
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