雛の秘密と甘い誘惑

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次の日の朝餉の時、隊士たちは昨夜のことで大騒ぎしていた。 「総司、昨日あのあと雛どうした?」 「普通に眠ってたよ。言っておくけど平助が思ってるようなことは何もない。変な想像されたらいい迷惑。」 そんな二人の会話を聞いて左之が話に入ってくる。 「俺だったらぜって~抱いてた。たまんねえよな、あの姿。普通の男なら手を出すだろ。据え膳食わぬは男の恥だぜ。」 「下世話な話はやめてよ。左之さんと僕を一緒にしないで。」 「左之の気持ちも分かるな……。あれだけ色っぽいとちょっとな。」 永倉も呟く。 「……ごちそうさま。」 沖田は朝餉をさっさと食べて台所へ膳を下げにいった。 台所に行くといつものようにおさよが沖田の膳を受け取りに来る。 「今日の干物どうでした?私が焼いたんです。」 「…おいしかった。」 ふと沖田が雛の方を見ると、お藤と器の片付けをしていた。 「はあ……頭が痛い……。」 そんな沖田の様子を見ておさよが尋ねてくる。 「雛さんのことですか?」 「まあね……。」 「私の…私の家で預かりましょうか?雛さんのこと。そしたら沖田さんと同じ部屋じゃなくてすみます。」 「ううん、いい。どのみち見張らなきゃいけないから。」 「私に出来ることがあったら何でも言ってくださいね。私、沖田さんの力になりたいから。」 おさよが顔を真っ赤にしながら沖田に言う。 「……ねえ、おさよさんて……。」 「何ですか?」 「……いや、何でもない。」
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