風紀委員3人に囲まれてるなんて、どんなけ鉄壁なんですかっ!

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 顔がはじけ飛ぶと、そのまま床に膝をつけた柘榴。  しかしその時、柘榴の後方から叫び声が聞こえた。 「そこまでよ!バンパイア……あんたを生徒会室に連行するわ。そこでおとなしくしなさい!」  まるで警察官が、犯罪者に言い放つようなお決まりのセリフ。  だがここは学校。一介の学生に他人を拘束する権利などあるはずがない。  それに――  んなこと言われて待ってる奴なんていねぇだろ?  柘榴が思った通り、案の定男は奇声を上げると、一番近くの窓に向かって飛び込んで行った。  ガラスの割れる音と共に、バンパイアは逃げ出て行った。 「あ。待てや。こらぁ」  また腑抜けたセリフが聴こえてきた。 「明日菜。お前いつから関西人になったんだ?」  自分の近くへ駆けつけてきた赤髪の少女に問いかけた。 「ん?なんか関西弁って迫力があるじゃない?だから使ってみたり……」 「んなことしてる暇があるんだったら、教師でも呼んでくれりゃあよかったじゃねぇかよ」  膝をついた状態から起き上がった柘榴は、男が逃げて行った窓の外を睨む。 「あのメガネ。これじゃあ俺が助けに入っておきながら、一方的に殴られたかっこわるい奴じゃねぇかよ」 「え?ちがうの?……あ、血」  彼女の方を睨んだ柘榴に、明日菜は全く動じることなく彼の唇から流れている血を指差した。「ああ。こんなんどうってことない……それより……」  柘榴は暴漢魔に押し倒されたまま今も床に寝そべっている少女の方へ顔を向ける。 「あんた。大丈夫か?」 「あ。はい。それより、犯人……逃げちゃいましたね」 「まぁ、この馬鹿がちゃんと押さえておかないからねぇ。せっかく助太刀に来てやったのに」  明日菜が、柘榴を指さして言った。 「助太刀ってお前……お前になにができんだよ」 「はぁ?私を誰だって思ってんの?この学校の風紀委員よ?」  柘榴はキョトンとした顔をする。 「いやいや。この学校に風紀委員なんてないし――  って、そう言えばあの伊藤副会長がそんなようなこと言ってたっけ?  お前。本当に風紀委員なのか?」  こくりと首を振った明日菜は、床に倒れている女生徒を見た。  彼女はあのバンパイアに襲われていたようだが、幸いけがも衣服の乱れも無い。 「あなた。確か二年の群青サトリさんですよね?怪我とかしてませんか?」 「え?どうして私の事を知っているの?」
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