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訝しむ彼女に、明日菜は当然と言う顔で答えた。
「風紀委員ですからね。この学校の生徒の大半は知っていますよ。……ってのは冗談で、サトリさんは陸上部の短距離走のエースですもんね。前に偶然見かけて……」
「冗談かよ」
話に突っ込んだ柘榴に一瞥すると、明日菜は彼女に尋ねた。
「今の男、誰だか知ってますか?」
「ごめんなさい。はじめてみた人でしたわ。制服はうちの学校の見たいでしたけど……もし同じ学年でも他のクラスの男子までは分からないですし……」
明日菜は頷いて答えた。
「そうですよね。ありがとうございました。一人で帰れますか?」
「ええ。走って帰ります」
そう言った彼女は、にこりと笑顔を作ると走り去って行った。
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