風紀委員3人に囲まれてるなんて、どんなけ鉄壁なんですかっ!

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◆W.W.W  とある高校のとある生徒会長が言った。 「今日から私が生徒会長だ! しかしこの学校の主役は私じゃない。主役はこの学校の生徒達一人一人。――つまり貴方たちです。故に私が誰なのか知る必要はありません――」  柘榴たちの高校入学と同時に決まった、学校始まって以来の初の生徒会長。しかし、その姿は誰も見たことがない。  生徒からの選挙で決まったわけでもなければマニフェストすらないのだから存在理由も不明だ。いや、しいて言えば一度だけ学校の全体放送で流れた彼女?(彼?)の先程の言葉だろう。女性とも男性ともとれる中性的な声で『生徒達が主役』だと告げられたのがマニフェストなのだろうか……。  正体不明の生徒会長が現れて一年が経つ。学校ではいくつかの謎の事件や噂があったが、数日後には事件が解決、もしくは噂すらなくなっていた――  そのヘンテコな学校のとある教室で。HRが開かれていた。 「――菜。起きろ明日菜」 「…………」  担任の呼びかけに動じることなく、柘榴の前に座る赤城明日菜は机に顔を埋めて爆睡状態となっていた。  そして彼女の後ろに座る柘榴に向かって、目で訴えかけてきた担任。  早くこいつを起こせという合図だ。 「はぁ」  しかたなく柘榴は、目の前にだらしなく座っている少女の華奢な背中を指で突いてやる。  しかし彼女の赤い髪がわずかに揺れるだけだ。肝心の明日菜は目を覚まさない。  担任の柘榴を見る視線がより一段ときつくなった。 ――なんで俺が……俺は何もしてねぇのに……  完全にとばっちりを受けた柘榴は不機嫌になる。  具体的には、無防備で眠る少女の後頭部にチョップを喰らわせたのだ。 「いいかげんに起きやがれ。この眠り姫がっ」 「ごはっ」  そして、不意打ちを喰らった明日菜は何を血迷ったのか柘榴の顔面をグーパンチで殴り返すのだった、 「なにしやがんのよ。コンチクショ―!」  それは女子の力とは思えない強力な一撃だった。  何処からともなく突風が巻き起こると、彼の体を浮き上がらせる。  体が地から離れると、そのまま後ろに座る御堂星を彼女の机ごと弾き飛ばしてしまう。 「痛ててテ……」  思わぬ反撃を受けた柘榴は我に返ると、そこには暗闇の中に光る一点の光が。
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