勇者の腕枕で アルマゲドン回避

4/13

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
すうっとあたしの前を通り過ぎると、机の上に尻を乗せ、脚を組んだ。 あたしもスカートの後ろを押さえて、 折りたたみ椅子に座った。 こういう時、目上の人に 「お座り下さい」と言われてから座るのが常識なんだろうけど、あたしは、カズミチを別に目上だと思っていないので関係なし。 「佐々木、やっと来たなあ。学校どうだ?」 ニコニコと笑いかける。 うちとか、あたしのスマホにしつこく留守電いれてて、それが効果あったと思ってるんだろうね。 これだから、新米教師はヤダ。 「はあ…別に」 この位置関係だと、どうしてもカズミチがあたしを見下ろす形になる。 「お前のご両親も心配してるぞ。これからは毎日来いよ」 は? あたし一人、家に置き去りにして、それぞれ愛人と暮らしてる人達が? 「…そんな話、どうでもいいよ」 さっきから、カズミチは自分の太ももを黄色いメガフォンで、ぱん、ぱん、と叩いてる。 暑苦しい。イライラする。 「よくねえよ。高校生の本分は勉強だぞ。お前、だいたい学校来ないで何してんだ?」
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加