勇者の腕枕で アルマゲドン回避

9/13

15人が本棚に入れています
本棚に追加
/96ページ
すごく心地良くて、私は半分、目を閉じた。 「キスしてくれたら、許してあげる」 カズミチの唇が近づいてきた。 しやすいように、顔を少し傾けてあげたのに、あたしのそれと触れるか、触れないかのギリギリで止まる。 キスするの? 躊躇してるの? 生徒とキスしていいのかな?って迷ってる? 馬鹿馬鹿しいよ。 「……キスの仕方、知らないの?」 「焦らしてるんだよ」 カズミチはクスと笑う。余裕の笑み。 「…へんなの」 あたしも濡れた頬のまま、笑った。 唇と唇が触れ合う。 カズミチの舌が、あたしの上唇をペロリと舐めた。 かすかにペパーミントの味がした。 あたしも舌を出して、カズミチの下唇に触れた。 ゼリーみたく、ぽよんとしてて気持ちいい。 ……なんで、こんなシアワセな気分になるんだろ。 カズミチから、なんかジワジワと伝わってくる。 差し込む太陽の光は、濃度を増して、あたしの髪をオレンジ色に染める。 「……お前のことは俺が守るよ」 吐息のようなカズミチの声が、狭い空間に低く響く。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加