ベテルギウスの幻影

10/11
前へ
/96ページ
次へ
ルビーみたいな綺麗な星を眺めた後、私達はキスをかわした。 私にとっては、初めてのキス。 そして、生涯で1度きりのキス。 それから、城島君は、服の上から私の胸に少しだけ触れた。 私が、『まだイヤ』と言ったら、城島君は『ごめんね』と謝ってすぐやめた。 それも最初で最後。 私の胸は小さいから、恥ずかしかっただけ。本当は嫌じゃなかったのに。 もっとあなたを感じたかったのに… 私の中で城島君は17歳のままだ。 「マナミ、オリオン座のベテルギウス星、超新星爆発を起こしていて、実際は、消滅したのかもしれないんだ」 「星が、爆発?そんなことあるの?」 「寿命さ。星にもあるんだ。 地球からは640光年離れているから、実際はよく分からないけれど、今見えたとしても、それは残像なのかもしれないね」
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加