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シンヤの髪は短く黒くなっててビックリ!
見違えた。
大きめの耳に光っていたシルバーの軟骨ピアスもごつい指輪も、ないじゃん。
黒いTシャツにGパン。
シンプルだけど、チェーンの付いたベルトがオシャレ。
逢うなり「腹減った、少し早いけど、夕飯、食おう」って言い出して、私達は、そのまま駅ビルのエレベーターに乗る。
最上階に着くと、シンヤは、正面にある焼肉屋に脇目も振らずに入っていく。
あー…こいつ。
あの時の私の話、覚えてるんだね。
メニュウを広げ、さっさとおばちゃんに注文するシンヤ。
カルビに上ロース、ミノ、豚トロetc
何、この強引さ…まあ悪くはないけど。
「普通、こういう時、何がいい?
パスタ?とか色々訊かない?」
オーダーが済んだあと、私が皮肉っぽく言うと、シンヤは首を傾げた。
「訊かねえ。りなの顔に焼肉食べたいって、書いてあったから」
へ……?
どんだけ私、肉食獣よ?
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