第1話

11/12
前へ
/45ページ
次へ
「同居人というのはズバリ俺の従兄弟で瀬戸東(せとあづま)といって年は23だ。あいつに話したら二つ返事で承諾を得たから安心しろ」 「いや…あのな和也、話はそこじゃないだろ?」 「いいからそうさせてくれよ…頼む!!部屋もこのまま使っていいからさっ」 「え?部屋使って…いいのか?」 「え?あ、あぁいいとも!悪い話じゃないだろ?他に住むにしてもこんないい部屋ないだろうし」 この部屋を使っていい… 俺としては願ってもない話なのは確かだ。 何しろ俺はこの部屋がすごーく気に入っている。 俺一人では到底借りれないであろうこのアパートは学生風情が住めるようなものではない。 贅沢なのはわかっていはいるが、なにしろ人というのは慣れてしまうから怖い。 とてもじゃないが普通のアパート暮らしになど戻れそうにない。 新しい同居人……… 贅沢なアパート……… 普通のアパート……… 新しい同居人……… 「なっ?いいだろ?お前の事はちゃんと話してあるからさ」 「………なぁ」 「なんだ?」 「俺に同居人をつけてお前はそいつに何をさせるわけ? 。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加