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案内された部屋はどうやら東という人のへやらしい。
至極閑散としていて、不要なものは何もないといった感じだ。
唯一気になるのは、部屋の角に置いてあるかなり大きめの水晶で、なにやらとてと高価そうに見える。
茶道一家の息子と言うからには、客に出すお茶はあの時間がやたらとかかるやり方で入れるお茶はなのかと思いきや、出てきたお茶はなんともごく普通の麦茶だった。
「作法を知らないあなた達にあのようなお茶はだせません」
だそうだ。
「では、あらためて私は瀬戸東と言います。このバカずやから聞いてはいるとは思いますが私があなたとこれから一緒に暮らしますのでどうぞ宜しくお願いします」
「おいっ!!バカずやとはなんだよ!」
「事実を言ったまでですが、何か?」
「ふんっ!お前ってヤツはほんと昔からいけすかねぇ!」
「おや、そんなこと言える立場ですかねぇあなたは」
「なんだと!あ~いや、ナンデモナイ…」
なんとも話が低レベルすぎて見え見えだが、どうやら和也が弱味を握っているのではなくてこの東とやらに頼み込んで同居するように聞こえてならない。
だったら無理して一緒に暮らすことないのに…俺だって初対面のヤツと暮らすなんてかなり不安だらけの要素しかない。
だって俺変だから………
「でもまぁ、あなたには感謝しますよ和也。あなたがどうしても監視してほしいと言うものだからどんな人かと思えばこんな可愛らしい方だとは、私も役得と言ったところですね」
「おいっ!!東お前…こいつには絶対に手を出すなよ!!」
可愛らしい…これで一体何度目だよ…
俺は男だっていうの!
「あの…あ、東さん」
「俺…別に一人でも大丈夫なのて出来れば同居の話無かったことにしたいんです」
「そーですか…しかし私は今日貴方にお目にかかれて大変気に入ってしまいました。あなたの事はなんでも聞いています。貴方のその変な癖とやらも私の変な癖にしてみれば大したことではありません。なので遠慮せずに一緒に同居しましょう」
私の…変な癖?
いやいや、いまでもちょっと変だよ。
だって敬語だし…
俺を可愛らしいとか言うし。
どエスの匂いがプンプンする。
。
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