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「な、何がお前面白いだ!!」
呆気にはとられてはいたが、俺は直ぐ様切り替えた。
隣の男は相変わらず笑っている。
よく見るとかなりの男前で、何処かのハーフだろうか目の色素はかなり薄い。
顔も整っていて、これまで見てきたなかでもかなり上位に入るくらいイケメンだ。しかし、俺は男であるからしてそんなことはただの羨ましいとしか感じはしないが…ただ…羨ましいと思った。
「ククッ、ここお前の席なの?」
「そうだ!イケメンだからといってどこも座っても許されると思うな!」
「ぷっ…キャーハハハ!!」
「なっ、何が可笑しいんだよ…」
最早いつまでも笑っているこいつは止められない。
何故そんなに笑うのだ。
そんな爽やかな笑顔を俺に振り撒かれても何の特にもならないのに。
「クックックッ…ごめん、ごめん。俺高橋和也ていうの」
「高橋?」
「ああ、高橋。なぁ俺と友達になってよ」
俺は絶望的に気分になった。
なんせこんなイケメンの同じ名字だけならまだしも名前までにているのだから。
ちくしょー…
世の中はとことん不公平だ。
「お前は?」
「は?」
「だから、名前」
「あ~タカハシタクヤ…」
「あ?聞こえないよ」
「だから!高橋拓也!」
「お前も高橋っての!?偶然だな」
そういって和也は宜しくと手を差しのべてきた。
俺は何とも全てが照れ臭くてうつ向きながらそっと手を出したのだ。
「俺、友達少ないから宜しくな」
そーですか。
俺は1人もいません。
。
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